~ひな祭り~
12月と2月は郷土の伝統芸能を紹介しました。いずれも祭りや祝い事には欠かせないもので、何世代にも渡って受け継がれてきたものです。そこで、私たちの生活にみられる伝統の行事などの歴史や意味合いを探ってみたいと思います。

3月3日は「桃の節句」、「雛祭り」です。雛人形を飾り、雛あられなどを楽しむこの伝統の行事、どのような意味があり、いつから行われているのでしょうか。
1月7日「人日(じんじつ)」、3月3日「上巳(じょうし)」、5月5日「端午(たんご)」、7月7日「七夕(しちせき)」、9月9日「重陽(ちょうよう)」、一年の節目にあたり縁起の良い奇数が重なる日に行われる五節句です。この3月上旬の巳の日、「上巳の節句」が桃の節句、雛祭りのことで、春を喜び無病息災を祈る日とされ、日々の雑事を忘れ、滋養のあるものを食べて鋭気を養う日なのです。災いを払うために木や紙、あるいは布などで作った人形(ひとがた)に厄を移し、川に流すような行事が平安時代から行われてきました。諸説ありますが、源氏物語や枕草子にある「ひいな遊び」に用いた布細工の人形が雛人形の祖型で、これが室町時代に女の子の成長を祝う行事になり、江戸時代になると吊るし雛なども考案されて雛まつりが盛んになったようです。
雛飾りは奇数段とされ、男雛を向って左、女雛を右に飾りますが、関西などでは逆になり、地域や時代によって異なるようです。また、つるし雛には女の子が衣食住に困らないようにと色々な細工物が飾られ「梟(フクロウ)」は福あるいは不苦労、「猿(サル)」は厄が去るなどの意味が込められています。
行事食も地域によって様々ですが、菱餅、雛あられ、白酒、ちらし寿司、潮汁などが一般的なようです。菱餅や雛あられは魔除け・生命の赤、清浄の白、健康・長寿の緑を基調とし、ちらし寿司の海老は長寿、レンコンは見通し、緑の豆はマメに働ける、錦糸卵の黄身は金、白身は銀などの意味があるそうです。潮汁は貝殻がピッタリ合い、他の貝殻とは合わないことからハマグリを用い、相性が良い相手と結ばれ、夫婦和合の願いを込めるそうです。
改めて、それぞれの意味、込められた願いを感じながら雛飾りを鑑賞し、ご馳走を頂いて鋭気を養いたいものです。(木)
ほこんたけ通信20250310(第212号)より

