上早川の歴史と伝説 (その三十四)

「山の恵み」~炭焼き~

山の恵みと言えば山菜ぐらいしか連想できない昨今ですが、かつては生活物資の多くを山から調達していました。前回紹介した木材は住宅の建設はもちろん、十八年ごとに見舞われる糸魚川宿の大火の復興に供給されました。さらに、生活に必須な燃料も山から得ていました。現代生活に欠かせなく、私たちの生活をとても便利にした灯油やガスは、戦後の経済成長に伴って急速に普及しました。しかし、それまでの調理や暖房は専ら薪や木炭といった山の資源が使われていました。薪は自前で調達できても、木炭の大半は購入するしかありませんでした。

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上早川の歴史と伝説 (その三十三)

「山の恵み」 ~大火と早川の木材~

水資源に恵まれた上早川は稲作が盛んです。しかし、斜面地に築かれ水田が多く、用水の維持、土手の草刈など決して恵まれた稲作環境とは言い難いようです。一方、西頸城山地の山裾には豊かな山林が広がり、温泉が湧き、多種多様な山菜の採取も比較的容易です。かつては、炭焼きや硫黄採取なども盛んであったと聞きます。そこで、上早川の人々の生活と山の恵みの関係を数回に渡って探ってみます。

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