人は誰しもが認められたいと思う気持ちを持っています。その為に努力し、結果が出た時には嬉しいものです。選手たちは校内の大会はもちろん、早川大会や市民大会などを日頃の腕前を発揮する場として練習に励んだ事でしょう。その中でも人気のあった大会が「いまい杯」と聞いています。この大会では早川スキークラブは後援の立場として側面的に関わって盛上げました。
第1回大会は昭和58年、上早川小学校を会場に開催されました。その後第10回で終了となりましたがその間に出場された方は良き思い出があろうかと思います。
主催は現在、東寺町に店舗を構えておられる㈲いまいスポーツ店。ノルディックスキーが盛んになり、市内でも一層の普及に繋がればと当時の今井章社長が発起人となり子どもたちの技術向上にご尽力をいただきました。地元早川でも大勢のスタッフを構え、大会を盛り上げました。
今井社長の奥様、信子様は大会の競技役員として救護係を委嘱されていましたがいろんな場面でお手伝いされたとのこと。記録集計は全て手作業。タイムは手計算で出し、その記録を順番に洗濯バサミで掲示するのが大変だったこと、応援に来場されるご婦人たちがかくまきを巻いていたのが印象的だったこと、酒粕の甘酒を振舞うのに大鍋で作ったこと、早川の雪の多さに大変驚いたことなど懐かしく語られました。「大会後の慰労会用に大量の豚汁を作ったことも楽しい思い出。早川の皆様の協力なしでは大会は成り立たなかった。大変感謝をしている。」と信子様は言われます。
第1回大会は60名の参加者でスタートしましたが第5回大会には200名を超える参加者となり、熱気溢れる会場の雰囲気が想像できます。参加校においても大野、今井、南西海、中能生。市外の妙高北小が参加された年もありました。成績記録を見ると桁違いで5・6年の部男女ともにトップは妙高北小の選手で、地元の児童らには良い刺激となったことでしょう。
何といっても人気のあった理由はトロフィーが10位までの入賞者に授与されること。当時の現場を良くご存じの藤井義典様は「1位でなくてもトロフィーがもらえる!」と子どもたちは目を輝かせ、意欲を沸き立たせていたと言われます。大会を運営するには資金も必要と思われますが人と人との絆が無ければ実現できない事。
シーズンオフもスポーツ店の取引先であるカザマスキーの選手らを講師に夏期講習会を開催したり、初心者には用具を揃えたりと今井社長は人脈をお持ちだったからと思いますがスキーを愛する心が無ければ実践は出来ません。
今更言うまでもありませんが、記事を作るにあたって関係者にお話を伺うたびに歴代の会長をはじめ、大会運営・育成活動に携わった諸先輩の偉大さ、地域の温かさに感心するばかりです。