上早川の歴史と伝説 (その三十三)

「山の恵み」 ~大火と早川の木材~

水資源に恵まれた上早川は稲作が盛んです。しかし、斜面地に築かれ水田が多く、用水の維持、土手の草刈など決して恵まれた稲作環境とは言い難いようです。一方、西頸城山地の山裾には豊かな山林が広がり、温泉が湧き、多種多様な山菜の採取も比較的容易です。かつては、炭焼きや硫黄採取なども盛んであったと聞きます。そこで、上早川の人々の生活と山の恵みの関係を数回に渡って探ってみます。

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上早川の歴史と伝説 (その三十二)

「早川入江説」の検証 ~遺跡の立地~

糸魚川市内には二八〇箇所の遺跡が確認されていますが、早川谷には十箇所前後しか所在しません。焼山噴火による火砕流や土石流に伴った厳しい環境が人の定住を阻んだものと推測されます。その数少ない遺跡やそこからの出土品は、早川入江説が成り立たない証にもなります。

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